バーチャルプロダクションで使用される巨大なLEDウォール向けの映像制作をご紹介いたします。ジュエ株式会社では、バーチャルスタジオやバーチャルプロダクションで利用されるLEDウォールの解像度、視野画角、サイズ等に合わせて実写映像を提供しています。車両等へカメラ機材等の設置もお任せください。
バーチャルプロダクションについては、Unreal Engineのサイトに無料のバーチャルプロダクション フィールドガイド 1巻2巻が公開されています。無料なのでじっくり読んでみてください。
https://www.unrealengine.com/ja/blog/volume-2-of-the-virtual-production-field-guide-now-available
バーチャルプロダクションの利点
バーチャルプロダクションは、新しい撮影技術として注目を集めています。バーチャルプロダクションを活用するメリットとしては、以下を考えられます。数年以内に映像制作者は、バーチャルプロダクションを容易に利用できると推測されます。
1. 従来のCG等によるグリーンスクリーン合成は、最終的にどのようなシーンになるか正確には分かりません。ショットのつながりや、ライティング、合成に合わせた演技が適切かなど、ファイナライズするまで分かりません。バーチャルプロダクションはそのような不確実な部分を現場でリアルタイム確認しながら撮影できます。監督も演者も照明もセットも撮影時には、ほぼ最終的な映像を確認できる点が画期的です。
2. 仮のイメージで長時間のレンダリングで作成するプリビズは、リアルタイムで発生する変更やバリエーションの対応に苦労します。バーチャルプロダクションなら、ほぼ最終的なイメージで、さまざまなバリエーションを確認できます。
3. LEDウォールに映像があることで、セットに関しても効率よく作れます。照明も適切にセッティングできます。
4.従来では編集前後で発覚する撮影時の問題を、撮影中に発見して調整が可能になります。撮影日数の削減につながり、ショットとショットが素晴らしく繋がることで、編集も素早く完了します。
以上から、限られた予算と短い期間でプロダクションを完成できる可能性があります。発展中の技術であり映像の合成に違和感があるケースもありますが、技術の進化により違和感は無くなくなるでしょう。以下の映像ですが、どこにバーチャルプロダクションが使われているかわかりますか。
自然な映像に関しては、照明やセットはもちろんのこと、センサーやLEDウォール、Unrealなどのリアルタイムエンジンに加えて、高品質な背景素材が重要です。背景素材はCGで作成したほうが良いケースもあります。
同様に実写で撮影したほうがコストが抑えられ、よりリアルになるケースもあります。ジュエ株式会社では、実写による高品質な背景素材を提供しています。本記事では、8KのLEDウォールを想定して映像を作ってみます。
仮想の8K LEDウォールを想定してカメラとレンズを選定
仮想のLEDウォールとして、220°の円形のスクリーンとします。横は8000px、縦は2200pxとします。大きさは横15m、高さは4mとします。凡そ水平視野角220°、垂直視野角60°ぐらいとします。LEDウォールは、高色域&HDR・ITU-R BT.2020対応です。
この高色域&HDR・ITU-R BT.2020対応対応の8K LEDウォールに合わせて、カメラはRED MONSTRO 8K VVを使用します。MONSTRO 8K VVは、8192×4320という8K DCIサイズで撮影できます。DYNAMIC RANGE 17+ stopsと脅威的です。BT.2020やHLGやHDRで表示することで、目で見た映像の近い表現が可能です。
RED DIGITAL CINEMA DSMC2MONSTRO 8K VV
https://www.raid-japan.com/shopdetail/000000000009/
レンズはEntaniya HAL 220 PLをカスタマイズした特殊なものを使用します。RED DIGITAL CINEMA DSMC2 MONSTRO 8K VVに対してセンサーを最大限に使えるようにしたものです。対角魚眼に近い円周魚眼として使うことで、凡そ水平視野角220°、垂直視野角110°ぐらいをフォローします。
Entaniya HAL 220 PL
https://products.entaniya.co.jp/products/hal-220-pl/
もし360°全方向をフォローしたければ、Kandao Obsidian ProやInsta 360 TITANなどの利用も良いでしょう。Kandao Obsidian ProはRAWで動画を撮れます。Insta 360 TITANはLogで撮影できます。120fpsのハイフレームレートが必要であれば、Z CAM E2を複数台で構成したりRED V-RAPTOR 8K VVなどを利用するのも良いです。
映像をLEDウォールに合わせて変換処理
MONSTRO 8K VVの幅広いダイナミックレンジを体感するために日の出と日没をタイムラプスで撮影しました。(※実際にタイムラプスの映像を必要とする場合は、静止画カメラで撮影したほうが高品質です。FUJIFILM GFX100などを使用することで、高品質な映像を撮ることができます。)
REDのMONSTRO 8K VVの映像はとても美しく、Entaniya HAL 220 PLも優秀なフィッシュアイレンズであり220°という超広角ながら、解像感も高く色収差も少なく歪みも均等で素晴らしいレンズです。
LEDウォールに表示する映像は、どのような形式が最適化を考えます。もちろんショットに合わせて、色を調整できる幅が大きいほどよいでしょう。R3DからREDWideGamuRGB / Log3G10に変換して、LEDウォールに合わせて書き出したものをDITさんに渡すといった作業が想定します。以上から撮影したR3DファイルをREDWideGamuRGB/Log3G10に変換します。
次に220°の円周魚眼(対角魚眼に近いですが)を、LEDウォールに最適な形式に変換します。いったん全天球となるようにエクイレクタングラ形式に変換します。13.5K程度のエクイレクタングラになります。
エクイレクタングラ形式のそれぞれの視野角が分かりやすくなるよ
この中から、水平220度、垂
REDWideGamuRGB/Log3G10なら2020やHDR等に変換もできます。さまざまなシーンに合わせて適切なカラーコレクション及びカラーグレーディングが可能です。今回は普通のモニターで見れるように709に変換します。
こちらが書き出した8K(8000p×2200ピクセル)です。Youtubeの右下のネジアイコン等で8Kを選択してご視聴ください。
エクイレクタングラー形式は、220°の円形のLEDウォールに対して、それぞれから等距離と
あらゆる場所にあらゆるカメラを設置
高品質なVR撮影技術の応用した撮影は、カメラや機材が大きく重くなります。機材の設置や特機の運用が重要になります。
過去に180°視野角の横16000×縦2160ピクセル@59.94fpsの映像を求められたときは、フレームが完全に同期する4KマルチカメラシステムとMoVI XLを使用しました。船や車やトラックの上など、さまざまな事例がございますので、お気軽にご相談ください。
映像制作の指揮を行う映像ディレクター、最適な撮影アングルに調整するカメラアングルオペレーター、事前にシュミレーションを行い本番撮影に備えるロケハン、風・雨・電波等により撮影不可の天候予備日、国内・海外出張(現地までの往復交通費、高速道路利用料など)、映像編集、機材運搬等を撮影の状況に合わせてご提案・お見積りをさせていただきます。