ジュエ株式会社は大型ドローンによる特殊空撮&360度撮影を得意とする会社です。RED等のシネマカメラを搭載したり、REDで360度VR撮影をしたりしています。空撮における360度VR撮影も数多く経験しています。本日は、KanDao Obsidianをドローンに搭載して「立体視」と「スタビライズ」を中心に各種機能を検証してみました。
3Dにおける360°VR空撮は、アイデア次第で相当に楽しいコンテンツが作成できると感じました。大きな構造物の上空、古墳、山々の自然、桜並木etc。地上から空中、移動しながらの撮影を組み合わせることで、かつてない体験を作り出せることでしょう。
KanDao Obsidian(カンダオ オブシディアン)には、「9軸モーションセンサー」が内蔵されています。 専用のステッチソフトであるKandao Studioには、「モーションパラメータ分析」を駆使したスタビライズ処理が採用されています。この説明を聞いただけで、「すごく滑らかに撮影」できそうです。
今回検証のために、「KANDAO手持ち+360度カメラ専用の電動式スタビライザー」と「KANDAO+ドローン」にて撮影しました。
Kandao Studioを利用したステッチ作業はシンプルです。撮影した映像をKandao Studioで読み込みます。この矢印をクリックして、撮影した映像を選択します。
6枚の映像を読み込みます。
ステッチの品質が悪いときは、見通しの良いシーンを選び、キャリブレーションをクリックします。あとはビットレートなどの細かい設定を行い完了です。
書き出したファイルに対して、さらにスタビライズ処理を行うことができます。Kandao Studioのスタビライズ処理画面から、書き出したファイルを読み込み実行するだけです。
通常の書き出した動画と、スタビライズをかけた動画を比べてみましょう。このように早い揺れを滑らかに抑えてくれます。左がそのまま、右がスタビライズ処理をした映像です。
よくあるサンプル映像のように、激しい手振れの映像にスタビライズをかければ、一見は劇的によく見えます。しかし元の映像自体が不鮮明なため、細部を見ると、滲んだりボケたりします。
作品や納品を前提にした揺れが少ない品質の高い映像を撮影するには、撮影時点で物理的に何かしら振動を取り除く装置や、物理的なスタビライズを行う必要が出てきます。シャッタースピードを速くすれば良いという考えもありますが、それはそれでいろいろと問題があります。
ステッチ時点における最初のスタビライズ処理としては、Kandao Studioのスタビライズ処理は、有効な機能です。揺れをゆっくりさせることで、後処理が楽になります。現時点では圧縮が強いため、今後に改善・バージョンアップされることに期待となります。
こちらは立体視で書き出しました。さらにKandao Studioスタビライズもかけてあります。物理的なスタビライザーに加えて、さらにKandao Studioによるスタビライザーが加わっておりますので、非常に滑らかです。
観光地を撮影すれば、相当綺麗な映像になるでしょう。8Kの立体視でこういった処理も可能なことには、大きな魅力を感じます。
人がドローンに乗るニュースがよく話題になります。今回の検証のついてにドローンに乗ったらどんな感じなのか体験360度動画を作成してみました。ドローンまで歩いて、ドローンにのって、飛び立つVR体験動画です。音楽も入れてみました。
実は、今回のKandao Studioのステッチですが解像度も5K、Fast Modeで書き出しを行いました。 オプティカルフローを使用していないステッチです。 Kandaoの撮影としては、これでも低い品質で作った映像です。
Fast Mode ではなく、High Quality Modeのオプティカルフローで8K(7680×3840)にて書き出すことで、さらに品質が高まります。(ちょっと設定してみたら、2分の書き出しで 6時間かかる見込みでした。ちょっと時間が無くて断念してしまいました)。
さらに立体視で7680×7680で出力もできます。こちらは8~9時間前後でした。夜に書き出しをして帰れば、朝には出来上がる感じではあります。
High Quality Mode とFast Modeとの比較がこちらです。Fast Modeではステッチの境界線がスムース(ゴーストっぽい感じ)になっていますが、High Quality Modeのオプティカルフローではクッキリと描写されます。解像度が上がってみます。フリンジなども改善されるそうです。
建物などもスッキリします。作品や納品する場合はHigh Quality Modeでの書き出しは重要な項目です。
もちろんオプシカルフロー特有のステッチの迷いや映像のブルブルも発生しますので、オプシカルフローは、万能ではないため要項に応じて使い分けが必要であります。
品質を重視したい場合は、ある程度の高品質な映像が作れる360度カメラです。じっくり1つの作品を作り上げるカメラとしてお勧めできます。
Kandaoに関しての詳しいSPECに関してはこちらのサイトを参考ください。
https://jouer.co.jp/news/kandao-obsidian-hanbuy/