3Dデータになるか?白いクラシックカー(車)をレーザースキャナと一眼レフカメラによるフォトグラメトリで3Dスキャンと3Dモデルの検証と実験

ジュエ株式会社では、高精度な3Dスキャンが可能なFARO Focus Laser Scannerや一億画素中判ミラーレスデジタルカメラGFX100を利用した高品質なフォトグラメトリ撮影を提供しています。大型ドローンや8K120fpsシネマカメラRED V-RAPTOR 8K VVを組み合わせた提案も可能です。用途として、映画産業とエンターテインメント、自動車業界、仮想現実(VR)と拡張現実(AR)、広告業界、教育とトレーニング、歴史的保存などの用途として歴史ある車両などをCGデータ化することで、いろいろな活用が可能です。

VFX(Visual Effects)やCG(Computer Graphics)を専門とするVFX/CGスタジオ、ポストプロダクションやデジタル映像制作に強い制作会社向けに、これらのレーザースキャナーの点群及びメッシュデータ、フォトグラメトリを利用したテクスチャーとなるカメラデータ素材を提供いたします。必要に応じて後処理も行います。お問い合わせいただければ、各種機材と専用スタッフが素早くかけつけます。お気軽にお問い合わせください。

本日は、白いボディのクラシックカーのフォトグラメトリに挑戦してみます。どこまで3Dモデルになるか検証をしてみました。白い車はフォトグラメトリだと厄介なのです。

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フォトグラメトリストには悪夢の白いボディの車

本日は、白いボディのクラシックカーをFARO Focus Laser Scannerと一眼レフカメラを組み合わせてフォトグラメトリの検証します。フォトグラメトリでは、つやっている物や白いもの黒いものは3D化が困難です。困難が予想される車をどこまでフォトグラメトリできるのかを確認します。

ドアを開け閉めや、車のなかの状況も見えるようにドアを開いて撮影しました。撮影時間が限られていたため撮影枚数は約700枚です。時間があれば、もっと大量に撮影したいところです。

FARO Focus Laser Scannerは、車の周りを45°ごとに8地点と車両内は2地点をスキャンしました。FARO SCENEでデータを分析して、Reality Captureへ取り込みをします。FARO SCENEはFARO Focus Laser Scannerのデータを処理するソフトウェアです。Reality Captureはフォトグラメトリソフトウェアです。

FARO Focus Laser Scannerの点群データと、一眼レフで撮影したデータを統合します。738データ中722が統合されました。ほとんどのデータが繋がったということを示しています。

真上からの俯瞰にてチェックすると、右側のドア部分の関係性が薄いことが分かります。この部分の写真が少ないか、別の何かが発生している可能性が高いです。現場にワークステーションを持ち込みつながりの品質をチェックすることで安全な撮影が実現できます。処理に少し時間がかかるため、確認の時間を確保できるとよいです。

フォトグラメトリは、写真から3Dモデルを作成する技術であり、写真の特徴点を見つけて異なる画像間での位置関係や距離を計算すること3Dデータを生成できます。このように白い車(黒い車)の場合は、白い面に特徴点を見つけることが難しくデコボコや穴が開きます。

フォトグラメトリでは、実際に平らな面がボコボコになりました。穴が大きく空いた部分もあります。

レーザースキャナーは、レーザービームにより物体の表面から反射された光を測定し、そのデータから物体の正確な3D座標を生成します。フォトグラメトリが苦手な白いボディもスキャンできます。しかしレーザースキャナは、反射を利用する仕組みのため反射が少ない黒いものや、乱反射するものが苦手です。例えばタイヤの黒い部分はレーザーが吸収され形状が得られません。

特性が異なるフォトグラメトリとレーザースキャナを組み合わせることで、白い部分もタイヤも形状が撮れました。また同時に写真とレーザースキャンのそれぞれのノイズも加算されます。白い面などはレーザースキャナのみのデータよりのノイズが増えました。なかなか難しいものです。

統合したデータからメッシュを生成します。元データは357Mトライアングルと超巨大です。この素材があればポストプロダクションやデジタル映像制作にてCG素材を作りやすくなるのではないでしょうか。レーザースキャナを使用しているため採寸も正確です。

細部が劣化しない程度にリサイズして軽量にします。7Mトライアングル程度まで減らしました。ある程度のトライアングル数にすることで、別のDCCツールで後処理が可能になります。

適切な後処理についてはそれぞれの専門会社に委ねます。しかしながら、アプリケーションやWebレベルで動作するCG素材に仕上げてみます。ある程度の方針を立てて、まずはメッシュをパーツごとに分解してボディを作りました。200Kまでメッシュを軽量しました。このサイズならスマホやWeb系でも動作させられるデータに近づけるでしょう。

3Dモデルの表示方式として、リット(Lit)とアンリット(Unlit)があります。簡単に言えばライティングの反映です。「リット」と「アンリット」の違いは、ライティングの取り扱いに基づいています。

リットは、シーン内の光源からの光を受け、リアルな影や反射を生成します。アンリットは環境光や光源の影響を受けず、一定の色と明るさを保持します。リットはリアリズムを重視する場合に適しており、アンリットはスタイライズされたビジュアルやリソースが限られた環境での使用に適しています。実際にリットとアンリットの違いを見てみましょう。

フォトグラメトリで得られるメッシュは、拡大すると基本的にボコボコしています。レーザースキャナーも同様です。


この状態でライティングを入れると凹凸面に影が発生して、ボコボコ気持ち悪い状態になります。

アンリットにするとライティングがなくなり、ボコボコが消えます。フォトグラメトリはアンリットで表示する分には、メッシュ面の処理をしなくてもそれなりに見ることができます。しかしライティングを入れたリアルな表現が難しいです。

そこでメッシュ面を整えます。この状態でライティングを入れてみましょう。

先ほどは、影でボコボコになったところが、メッシュを整えることで凹凸がなくなり、影が発生せずに滑らかになりました。このような処理をすることでリットでの表現が可能になります。

メッシュの処理に加えてテクスチャー(画像)など処理してゆきます。

分解した各パーツを組み立て調整してゆきます。ワイパーやミラーなど金属の細かいパーツは、別途モデリングなどを行うが望ましいでしょう。

次にUnreal Engine 5にデータを移します。イギリスの車なのでイギリスにしたかったのですがベニスです。Unreal Engine 5は、ゲーム開発だけでなく、映画、テレビ番組、アニメーション、建築ビジュアライゼーション、その他多くのインタラクティブな体験の制作にも使用されています

おしゃれな街並みを背景にしました。次はライティングやカメラ設定を行います。

ライティングを入れると雰囲気が出ます。この雰囲気を出すためにはメッシュの処理が重要になります。

レンダリング設定を行いHDRにて動画を書き出しました。利用したいシーンに合わせてグレーディングしてご利用いただけるデータになったでしょう。

車両をレーザースキャナとフォトグラメトリでUE5に取り込んでHDR素材で書き出してみた

レーザースキャナーを加えたことで、白いクラシックカーも3Dモデルとして利用できることが分かりました。細部まで寄ったり、内部のパネルなどを見せるにはモデリングによる細かいディテールの作成が必要になります。低から中程度の複雑さ基本的なモデルであれば、このまま利用できるかもしれません。

高い複雑さや高度なリアリズムと複雑なディテールが求められるプロジェクトでは、数週間から1ヵ月以上の経験豊富なモデラー及びVFXチームによる作業が必要になるでしょう。

その場合においても、高精度な3Dスキャンが可能なFARO Focus Laser Scannerや一億画素中判ミラーレスデジタルカメラGFX100を利用した高品質なフォトグラメトリ撮影および写真素材、超高品質なHDRIパノラマ撮影や、8K120fpsシネマカメラRED V-RAPTOR 8K VVを組み合わせた360°動画素材を活用することで、プロジェクトの高品質化及び作業時間の短縮が可能になります。

HDRIにて撮影現場の背景を合成

外部環境の明るさや車内から車外の映像がリアルにシュミレートできました。

フォトグラメトリとレーザースキャナーの撮影に関して、お気軽にご相談ください。

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