NDIで8K・6K・4K動画出力できるカメラ「Z CAM E2-F8」と Z CAM StreamConverte

「Z CAM E2-F8」はフルサイズセンサーの8Kカメラです。まだ少数ですが、8K動画を内部収録できるカメラは増えて来ています。一方で8K映像を外部へ出力できるカメラは、高額な放送機材に限られます。多くの場合は出力にSDIが4本必要であり、受信するにもSDIが4本になり、受信側も高額な機材が必要です。

現在のHDMIは4Kであり、8Kは出力できません。SDIで出そうとすれば、4本必要であり送受信がなかなか大変です。「Z CAM E2-F8」は、メーカが提供しているZ CAM Stream Converter(デスクトップ用アプリケーション)を利用することで、「Z CAM E2-F8」をNDI化できます。NDI化により4Kや6Kはもちろん、最大で8Kで出力が可能になります。

NDIとは、NewTek社のNetwork Device Interfaceという規格です。簡単に説明するならば、カメラをネットワークへ接続すれば、自動でIPカメラとして認識してくれる規格です。ルーターのDHCPみたいなものです。NDIを使うことで、HMDIでもなくSDIでもなく、LANコネクターから映像を出力することができます。

2020年6月時点では、NDI対応の8Kカメラは市販されているものでは、見つけることができませんでした。以上からNDIで8K動作するカメラは驚愕です。

本記事は2020年6月1日時点であり、「Z CAM E2-F8」のファームウェアは0.85です。Z CAM StreamConverterは0.58です。ファームウェアにより機能や項目が大きく変わります。もし検討される場合は、かならず最新版でご確認ください。アップデート等により機能が追加変更されている可能性があります。

Z CAM E2-F8
https://jouer.co.jp/news/z-cam-e2-f8/

「Z CAM E2-F8」 8K・6K・4K動画のNDI出力を検証

まず環境を準備します。できれば10Gbpsで確認したいところですが、1Gbpsネットワーク環境を準備しました。続いて「Z CAM E2-F8」カメラ一式、Z CAM StreamConverter、OBS(NDI対応済み)、ハイエンドなグラフィックカードを搭載したワークステーションです。ワークステーションとカメラを、同一のネットワーク環境で接続します。IPやルータの設定は適宜に行います。

カメラ側の電源を入れて、Z CAM StreamConverterを起動します。ソフトウェアの設定はバージョンにより、変更されることが多いため説明は省略します。カメラのIPアドレスが表示されます。選択することで設定が可能になります。

まず4K(3840×2160)の解像度を選択します。FPSは24~60まで選択できます。4K59.94fpsでNDIを流します。OBSでNDIソースからカメラを選択します。問題なく4K60fpsにて認識できました。遅延は1秒あるか無いか程度です。

次に6K(5760×3240ピクセル)の解像度を選択します。FPSは24~30fpsまでです。6K29.97fpsを選択します。OBS側の解像度も、6Kに変更します。拡大してみると、明らかに解像度が高くなりました。遅延は気持ち少し増え1秒~2秒あるか無いかです。

次に8Kサイズを試します。C8K 2.4:1モードの解像度は8192×3456ピクセルです。FPSは24~30fpsまでです。C8K 2.4:1@29.97を選択します。遅延は1秒~2秒あるか無いかです。遅延に関しては、送信するビットレートやネットワーク環境によって前後するでしょう。

8K・6K・4KそれぞれNDI出力できることが確認できました。

NDI出力による4Kと6Kと8Kの解像度

同じ条件で解像度の設定だけを変更して、動画を静止画として比較してみます。

4K動画の静止画切り出し

6K動画の静止画切り出し(6Kは動画がクロップされます。)

8K動画の静止画切り出し

 

4K動画の等倍切り出し(600×600ピクセル)

6K動画の等倍切り出し(600×600ピクセル)

8K動画の等倍切り出し(600×600ピクセル)

6Kの場合はクロップされて対象物のピクセル数は、C8K 2.4:1と同じであることが分かりました。検証の動画は、ちょっとフォーカスが甘いかもしれません。カレンダーの左上の小さな年数までしっかりと解像しています。ネットワーク越しに8Kという解像度で撮影できるカメラです。

気になる安定度ですが、セッティング等や機材構成の最適化を行いC8K 2.4:1@29.97にて1時間連続で動かしても安定しました。※2020年6月時点において、本環境やセッティングの状況では8K UHD(7680×4320)は、映像が不安定になるケースが見らえました。

8Kという先端分野を低コストに

従来の撮影・スタジオ等の利用のほか、AI技術による8Kという高解像度を利用した画像認識システムや画像分析などへの利用なども考えることができます。8Kに対応した従来の放送用や産業用機材を利用するよりも、費用は数分の1から1/10程度まで抑えられるでしょう。

もちろん8Kに対応した従来の放送用や産業用機材は、安定性や実績やと各種機材への互換性もありますから一概には比較できません。ふまえてNDIで8K・6K・4K映像を出力できる8Kカメラ「Z CAM E2-F8」にご興味がございましたらお気軽にジュエ株式会社までお問い合わせください。

Z CAM E2-F8
https://jouer.co.jp/news/z-cam-e2-f8/

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