オンプレミスサーバで8K(7680×3840@30fps)VRライブストリーミング配信システムを構築

ジュエ株式会社は、最新のVR撮影及びVRライブ配信システムを提供しております。ご要望に合わせてハードウェアからソフトウェアまで、必要に応じて開発を行い関連システムを提供をします。複合的で高性能な機能(耐久性、高解像度、超低遅延、遠隔操作等)を実現するVRを応用した特殊なシステムに関して、お気軽にご相談ください。

VRシステム事業のご案内
https://jouer.co.jp/system/

今回は、8K(7680×3840@30fps)VRライブストリーミング配信システムを構築します。8Kカメラ一式(三脚等含む)とオンプレミスの配信サーバを使用します。クラウドサーバ及び視聴用ソフトウェアは必要に応じて準備・開発する必要があります。ご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。

※本構築例は、小規模の配信向けの構成です。もし一般的な大規模配信を行う場合は、運用的な観点から安定したインターネット回線や大規模配信へ向けたサーバーシステム(CDN等)は、お客様で検討する必要があります。

よくある8Kのライブ配信の課題は、8Kという巨大な映像のエンコード(サーバへの送信)や、RTMPが古い規格であるためH265の対応ができなかったり、コーデックがH265の場合に視聴側で見れなかったりすることです。今回はそのあたりも確認しながら構築します。

よくある8Kのライブ配信の課題

1.8Kという巨大なサイズをエンコード(送信)できない。
2.8Kを送るためにはH265を利用する必要があり、配信サーバーでH265が受けられない。
3.RTMPがH265に対応しておらず、配信サーバーで受信できない。
4.H264で8Kを送信したいが、4K以上の大きな解像度を扱うにはH265が必要?
5.8Kを送信できても、8Kを受信する環境が無いので見れない。

 

8K(7680×3840@30fps)のVRライブ配信環境の準備

8K(7680×3840@30fps)配信ができるVRカメラは複数あります。例えばInsta360TITAN、Obsidian Proなどの大型360°カメラです。さらに高品質な8KVR映像を配信したい場合には、複数の4Kカメラ等をリグで組んでリアルタイムステッチングユニットとエンコーダーを準備することで可能です。今回の趣旨は、VRカメラではないので小型VRカメラ QooCam 8K Enterprise を利用します。

写真左はinsat360TIAN(ボーリング玉ぐらいのサイズ)
写真右はQooCam 8K Enterprise(スマートフォンを丸めたぐらいのサイズ)
従来の8KVRカメラと比較すると驚くほど小型です。

QooCam 8K Enterpriseは、小型なのにカメラ内に8Kエンコーダを内蔵しています。ぶっ飛んだ性能です。このカメラのみで8KのRTMP送信ができます。1つ目の「8Kはエンコードできない課題」をクリアしています。8Kをエンコードできるワークステーションも不要です。放送機材で8Kカメラとレンズ、8Kのエンコーダーとデコーダーを準備すると2000万ぐらいは必要です。

QooCam 8K Enterprise、AC電源、ルーター、インターネット回線を準備します。専用アプリでQooCam 8K Enterpriseと接続します。準備した配信サーバのURLをスマートフォンから設定します。解像度は4Kか8K、ビットレートは複数から選択できます。今回は8K30fpsにて10Mbpsで設定します。コーデックはH264かH265を選択できます。以上でカメラ側の準備は完了です。

別の事務所に専用回線を引いております。そこにオンプレミスの配信サーバを設定しました。AWSやwowzaなどのクラウドサービスの配信サーバを利用することもできますが、オンプレミスの配信サーバなら、使い放題です。テストでダラダラと使うには最適です。準備した配信サーバは、RTMPのH265も扱えます。H265の配信サーバ側の問題もクリアです。

実はH264でも8Kサイズを扱える

Adobe Premiere ProやOBSなどで、H264で8Kをエンコードするとエンコーダーエラーが発生します。H.264の最大の解像度は4Kといわれています。4096ピクセルを超えるとエラーが出てしまいます。nvidiaの資料やフォーラムを見てもそのようになっています。

Video Decoder Capabilities & forums
https://docs.nvidia.com/video-technologies/video-codec-sdk/nvdec-video-decoder-api-prog-guide/
https://forums.developer.nvidia.com/t/what-is-maximum-video-encoding-resolution-in-pixels/51076

これは、nvidiaのハードウェアエンコーダの上限でありまして、その限りにおいては正しい情報です。nvidiaのGPU(ハードウェアエンコーダ)を利用した場合です。

nvidiaのGPUを利用しないいわゆるソフトウェアエンコード(CPUなど)を利用した場合には、H264で8Kが扱えます。Adobe Premiere ProやOBSでも、ハードウェアエンコードからソフトウェアエンコードにすることで、実はすんなりとH264の8Kが出力できます。

同様にQooCam 8K Enterpriseが、どのようなチップでエンコードしているのか定かではありませんが、実はH264で8Kがエンコードできます。H265に対応した配信サーバを準備できなくても、H264で8Kなら配信できるかもしれません。是非試して見てください。

実際に8K360°配信テスト

QooCam 8K Enterpriseにて、8K/H264/30fps/10MbpsでRTMPでサーバに映像を送ります。上がりはRTMPで、下りはHLSを利用します。

VLCで受信テストをします。VLCは「ネットワークストリームを開く」からライブストリーミングのURLを読み込めます。HLSのURLをVLCに入れてメディア情報を確認します。しっかりと7680×3840ピクセルで受信しています。コーデックもH264です。

H264のメリットは汎用性です。大抵のデバイスはH264を見ることができます。この8Kの映像をWebブラウザから見てみます。このように8K30p映像をWebブラウザー越しでVR映像として確認できます。

Webブラウザーから8Kの映像をVR視点で確認できました。遅延は約6秒程度でした。ブラウザーから8KVRが見ることができるのは素晴らしいです。デスクトップパソコンから視聴できましたが、スマートフォンからは視聴できません。スマートフォンでは、8Kという解像度に対応していないのかもです。以上から8K(h264)で視聴ができました。

次は、8K/H265/30fps/10MbpsでRTMP配信します。

VLCで同様に開けました。H265のコーデックになっています。しかしWebブラウザからは、表示できなくなりました。たぶんWebブラウザや、Webブラウザで動くVR再生プレイヤなどのデコーダーがH265に対応していないのでしょう。

別のアプリの画面で確認したところ、フレームレートも安定して30fps出ています。H264と比べて60%のビットレートで同様の画質になりますから、H265を使って行きたいところです。視聴プレイヤ側の対応がカギとなります。

開発向けのVRプレイヤで柔軟な視聴体験を実現

汎用的な視聴端末は、H265や8Kになると見れたり見れなかったりします。8Kカメラ一式(三脚等含む)とオンプレミスの配信サーバの導入と一緒に視聴VRプレイヤ端末も開発すれば、最適な環境で視聴できます。

ちなみに4Kと8Kの解像度の違いはこんな感じです。8Kは解像度は良くなりますが、同じビットレートの場合は圧縮が高くなりますので、トレードオフの関係があります。写真上が4K、下が8Kです。

ジュエ株式会社は、最新のVR撮影及びライブ配信システムを提供しております。ご要望に合わせてハードウェアからソフトウェアまで、必要に応じて開発を行い関連システムの提供をしております。より複合的で高性能な機能(耐久性、高解像度、超低遅延、遠隔操作等)を実現するVRを応用した特殊なシステムに関してお気軽にご相談ください。

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