移動しながら手持ちでも揺れない360度動画を撮影する方法と対策・360度撮影専用のスタビライザーや電動ドリーや360度ドローンなど

移動しながらの動きのある360度動画の撮影は非常に難しく、多くの場合は固定(設置)しながらの撮影になります。固定(設置)しながらの360度動画撮影の欠点は、退屈でつまらないことです。360度撮影の経験がある担当者が絵コンテ等をしっかり作り、演者の配置や仕掛けなど考え撮影しないと、おもしろい360度動画を作ることができません。

移動しながらの撮影が難しい理由は主に2つあります。カメラのピッチ(上下の角度)が変化すると、360度動画では水平線が波打つように変化します。この揺れが大きいとまともに見られる動画になりません。さらにロールやヨーの揺れも合わさることで、がくがくしてゆらゆら、ふらふらと気持ちが悪い映像になります。

360度全天球動画の場合は、揺れると動画全体がそれぞれの方向へ変化するため、後処理で一定方向に動く揺れに対して調整をかけることが難しいことや、ステッチで繋げる前に通常の動画撮影のようにカメラ側で映像の一部をクロップしてスタビライズをかけると、それぞれの動画の貼り付け部分がつねに変化するため、ステッチが繋がらなくなります。ソフトウェアでスタビライズをかけるために動画の端が切り取られても同じことが言えます。(※もちろん後処理で専用のソフトウェアによるスタビライズをかけることもできますが、いろいろと困難します。)

360度全天球動画は360度ですが、横2対縦1の比率で四角映像に360度が収まる仕組みになっています。四角の中に360度の全方位の映像が収まっているため、どこか一部をカットすると、映像がおかしくなってしまったり、ゆれは画面全体の映像にそれぞれの方向へ変化が発生します。

もう一つはステッチの問題です。複数台のカメラの映像を繋ぐため、動きがある場合はそれぞれのカメラのフレームレートのフレームがズレていると、ステッチが繋がらないこともあります。繋がってもステッチの境界線がユラユラと揺れたり、大きく切れてしまったりします。それぞれのカメラ自体が物理的に振動等で揺れることでも、ステッチ品質を下げます。

以上から移動しながらの360度動画は、揺れてステッチが破綻しやすく視聴が困難な映像になります。そのため多くの場合は、固定(設置)しながらの360度撮影が実施されます。今回は困難を伴う、移動しながら動きのある360度動画撮影を行うさまざまな方法・手法を紹介します。

話は戻りますが、固定した360度撮影のお手本ともいえる「【公式】ブルボン プチシリーズ プチVR動画 篇 黒島結菜」は必見です。素晴らしいです。このように作りこまないと、固定では面白い360度になりにくい傾向があります。

 

移動する物体+360度カメラで移動しながら360度動画を撮影

一番簡単な方法は移動する物体に、360度カメラを乗せて撮影することです。イス、台車、自転車、ベビーカー、自動車、飛行機etc。しっかりとした固定と、できるだけ揺れと振動が少ない移動する物体に設置することで、面白い動きのある360度動画を撮影できます。固定と振動対策に加えて、移動する動画の場合はカメラのシンク(同期)機能が重要になります。

それぞれのカメラのシンクロ(同期)を取る方法として一般的なのは、それぞれのカメラにクラップ音を入れ、動画に一致するフレームの印をつける方法です。しかしカメラによって、動画のRECとオーディオのRECにズレが生じることがあります。シンクロの精度が低いのが欠点です。他にはフラッシュなど光をあててシンクロ(同期)の目印にしたり、真っ暗にさせて光を当てることでフレーム単位で合わせる高度なシンクロ方法があります。それでもフレーム単位以下のズレが発生します。外部的な要因でフレームを合わせる方法には限界があります。

理想としては、完全に一致したフレームで撮影できるカメラ自体にシンク機能が搭載されたGoPro OmniやZ-Cam S1などや、シンク機能の改造を施した改造GoProを利用できればより安心です。またカメラの構成台数も何を撮影するのかよく考え、最適な構成で撮影を進める必要があります。

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しかし当然ですが、移動する物体自体が揺れたりすると、手持ちで撮影したときと同じように揺れてしまいます。そこで次の方法です。

話は戻りますが、手持ちで固定せずGoPro Omniでテスト撮影した映像がこちらです。ソフトウェアでスタビライズをかけていますが、車輪が大きい移動する物体(これは人力車)は、比較的振動や揺れが少ない印象でした。固定もスタビライザーが無くても、手持ちでもここまで撮影できました。

 

移動する物体(もしくは人)+高度なスタビライザー+360度カメラで移動しながら360度動画を撮影

さらに安定した移動しながらの360度撮影を行うには、移動する物体に設置する際に、さらにスタビライザーを追加で利用する方法があります。いずれかのスタビライザーに360度カメラを設置して撮影します。360度カメラの下部(つまり下にあるスタビライザーなど設置面)の映り込みを最小に抑えるためには、360度カメラをなるべく高くセッティングする必要があります。

それには、映画撮影用のシネマクラスのカメラを搭載できるMovi M15など出力が高い(数キロ以上のカメラをスタビライズできる)、業務用のスタビライザーをカスタマイズして利用する必要があります。試したことはありませんが機械式タイプでもうまく設置すれば安定するかもしれません。設置を考慮すると巨大な重りなどが無い、電動式タイプが良いと考えています。

スタビライザーを利用することで、フォローモードではなくロックモードで撮影すれば、チルトやヨーやロールの揺れを押さえることができます。移動する物体上でより安定した撮影が可能です。移動する物体が結構な安定性を持つ場合は、スタビライザーが邪魔になることもあります。適所適材での利用が重要です。

スタビライザーを手持ちや肩載せタイプにカスタマイズすることで、人が持ちながら安定した360度撮影が可能になります。普通のカメラのように、移動して安定した360度動画を撮影できます。チルトをロックするセミフォローモードなら、動きに合わせてゆっくりパンすることもでき、柔軟に動くことが可能です。

しかし当然ながら、人や物体が移動する際に発生する上下の移動や、軸ではなく物理的な移動による揺れはスタビライザーでも吸収できません。やはり多少はゆらゆらと揺れてしまう可能性があります。そこで次の方法です。

話は戻りますが、スタビライザを利用することで非常に足場が悪い場所でも、ある程度の揺れの範囲で撮影ができます。いろんな現場で360度撮影レポートを行うのに最適な機材だといえます。

360度VR撮影専用の電動ドリー「MORRY」+360度カメラで移動しながら360度動画を撮影

新しく登場した360度動画を撮影するための専用ドリー(移動撮影台車)「MORRY」があります。詳しくは下記引用をお読みください。簡単に言えば、振動を吸収するサスペンションを多数備えた巨大なラジコンです。人が歩くより遅い超低速から走る速度である20km程度まで加速できます。10kgまでのカメラを積載できるため、現在存在するほぼすべての360度カメラを搭載できます。

カメラユニットを4本の頑丈な鉄柱と強力な機械式スタビライザーで支持することで、移動による軸揺れを確実に抑えます。おもちゃのような電動ドリーで発生しがちな、移動による軸揺れが発生しにくいシステムに完成しています。始動から停止まで揺れの少ない撮影ができます。

引用:360度VR撮影専用の電動ドリーMORRY(ドリー操縦技師付―撮影まるごとお任せパック)
http://digitalhobby360.jp/shopdetail/000000000084/

360度VR撮影専用の電動ドリー(移動撮影台車)「MORRY」は、移動しながらの360度に最適な電動ドリーです。手持ちやスタビライザーを使用した撮影に比べ格段に滑らかな撮影が可能です。高性能な電動式4WDユニット、カメラユニットを昇降するオートリフテヒング機能、カメラユニットを360度回転させるローテティングスタビライザ機能を採用しています。すべて遠隔からの操作が可能です。

4輪には安定した走行を可能にするサスペンションシステムに加えて、最大10kgまでのカメラを積載できるカメラユニットには、振動や揺れを抑える強力な機械式スタビライザーを備え、低速から高速までの安定した撮影を実現しています。ハンドリング性能も高く短いスペースでも旋回できます。場所を固定した360度VR撮影の概念を覆すハイパフォーマンス・ウェポン・360度VR撮影専用の電動ドリー「MORRY」です。

この電動ドリーには機械式のスタビライザーが基本的に設置されており、好みに合わせて取り外したり電動式スタビライザーに乗せ換えたり、機械式スタビライザーの上に電動式スタビライザーを乗せても良いはずです。鉄製の支柱が太く機械式スタビライザーも搭載しているので、通常の路面であれば、そのまま360度カメラを載せるだけで、非常に滑らかな移動しながらの360度動画を撮影できます。驚くほど滑らかです。

一定速度で撮影できるため、映画のシーンさながらの360度動画を撮影できます。さらにカメラユニットを360度回転させるローテティング機能があるため、カメラの方向も自在に操作できます。360度撮影の場合、360度撮影できているので方向は重要ではありませんが、ステッチ品質が低下する、カメラとカメラの間を、重要な撮影対象が通らないようにカメラを回転させることができます。

つまり遠距離にステッチを合わせながら、撮影対象の人が真横を通過するときには、その人に1つのカメラをずっと合わせて撮影することができます。そうすることで、人が360度カメラの近距離の真横を通過しても、ステッチが破綻しない撮影が可能になります。

このように滑らかな360度動画撮影が可能です。もっと低速で室内の床であれば、さらに揺れの少ない映像を撮影できます。

しかし当然ながら、地上の撮影に限られてしまいます。ある程度平らな路面があり、1m程度のラジコン車両が移動できるスペースがなければ撮影できません。また下には装置が映り込みますので、ロゴなどパッチを宛てる必要があります。そこで次の方法です。

 

360度VR撮影専用のドローン+360度カメラで移動しながら360度動画を撮影

シネマクラスの空撮を行うジュエ株式会社では、ドローンも自社で組み立て製造及びカスタマイズしています。DJIなど市販されているドローンではカスタマイズが難しいのですが、自社で組み立てたドローンであれば、自由に360度カメラの配置を調整できます。さらに電動式のスタビライザーを組み合わせることも可能です。

自動飛行制御が驚くほど優れているDJI製のドローンと比較すると、自社製ドローンは高度な操縦技術が必要であったり、特殊な運用となるため簡単に飛ばすことができません。360度撮影に関する技術とドローン空撮に関する技術、そして物理的な構造物を製造できる技術が必要になってきます。360度撮影を可能にした360度VR撮影専用のドローン+360度カメラがあれば、山でも谷でも、道なき道の360度VR撮影が可能になります。

4K・6K・8Kドローン空撮ご相談はこちら
https://jouer.co.jp/distinations/drone-kusatu/

移動しながらの360度撮影及びドローン空撮についてはジュエ株式会社にお気軽にご相談ください。

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